晴功雨読の日々】「不都合なエビデンス」

 「メタ解析」によって、「母集団中の不純物」が除去され、「偽の相関」が除去されるようになってきているようです。

■「酒は百薬の長」、、、かな?
 私のような「かつての大酒飲み」(※1)にとって、マズいことに、少し前までは日本の先達の研究で、「1日一合程度が一番長寿」と出ていたのが、「アルコールは飲まないほど良い」という結論が2018年に、最も権威ある五大誌のひとつである「Lancet」に出てしまった模様です。※2

 で、「なぜ日本の研究が否定されることになってしまったのか?」をつらつら考えてみるに、「酒を飲まない人」の中に、“酒を飲めなくなった人”が含まれていたせい」ではなかろうかと。
 つまり、「酒を飲まない」のではなく、「飲みたいけど、医者に禁止された」&「体調が悪くなり、酒が飲めなくなった」という、健康状態が低くなった人達が含まれていたため、「飲まない人」の平均寿命が「少し嗜む健康な人」より短くなったのであろうと。

 と、すると、酒飲みは、喫煙者を笑えないコトになってしまうな~~~。(※4)

■「“Diet”とは、忌まわしき4文字言葉である」

 コレは少し前に亡くなった金子隆一の名言なんですけどね。(掘り下げは、改めて、、、。)

 上と同根なことが、「少し小太りの方が長寿、の否定」にも言えます。(※3)
 これは、健康診断後最も疾患にかかる率の低い「理想体重(BMI;22)」より5%ほど重い『小太りの人』が一番長寿だと保険会社のデータで明らかになった」と、30年以上前に知り、ず~~~と、「おかし~な~?」と感じていたものです。
 つまり、コレも、母集団のなかに、「体調を崩して痩せた結果、結果理想体重に近づいた」人が含まれていたため、理想体重の平均寿命を押し下げていたのだろうな、と推測できます。

■「イケてる都会的な女性は、ヨガとサプリ~(云々)」

コレは、先月大岡山で食事をしていたら、小耳に挟んだ隣席のカップル(未満らしき)の女性の発言。(危うく「短命になりますよ」と言いそうになっちゃった。(^_^;))

「マルチビタミンでは6%、ビタミン臨では10%、葉酸では15%、鉄で10%、マグネシウムでは8%、亜鉛では8%、銅では45% 、それぞれ飲んでいたグループの総死亡率の方がかえって高かった」という恐ろしいデータ(※5)が出ています。
 勿論、日本以上にサプリ業界が大きいアメリカでは黙ってなくて、「男性はがんと診断される可能性が8%低かった」等の反証データの収集に躍起になっている模様です。

 コレは上記の2つと、「同根、だけど逆に現れた例」かな?、と。
 つまり、「『健康に不安がある』から、サプリメントを採る」人が多いのであるから、当然、その平均寿命は下がることが見込まれます。
 彼女のように「(肉体的には)健康だけれど、サプリを採る」クラスタが増えれば、マイナスの量も減るのかな?と。
 ココで気をつけなければいけないのは、「健康不安のクラスタが含まれるから、平均寿命面でのマイナスが減ることが予測される」こと=「マイナスがすくなくなる可能性がある」ことは言えても、「有効であることは証明されていない」点です。

 一時期「総合ビタミン剤」を飲んでいたこともある私には彼女の「(業界の)洗脳」を笑う資格はないよね、と。(^_^;)

※1 最近は、ズイブンと減ったんですよ、と言い訳をしておく。(^_^;)
 健康診断の結果で一番気にしているのは、「肝機能」の数値だったりする。(^_^;)
※2 小ネタをひとつ。ミスリードを期待する記事は、「有名な医学雑誌に掲載された」と、掲載誌をごまかします。(^_^;) 調べられると、ウソがバレちゃうからでしょうね。
※3 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4032609/
※4 と、いうことで、「引退後の生存率は、週に1~2回の中程度の酒飲みが一番高い」などという記事の続報に期待しませう。(^_^;)
※5 左卷健男著『病気になるサプリ』

「不都合なエビデンス」にするか「不愉快なエビデンス」にするかで、悩んでしまった。(^_^;)

新型コロナウイルス雑感

(帰国されて直後の劉老師に)「教室の様子はどうですか?」と聞かれて、「ウチの道場はボチボチです」と答えて、「そうではなくて、代講した1週間の様子は?」と聞か返されて、“そうだった。このところ新型コロナウイルスの騒ぎで、先週の事に関する感心がメッキリ低下していたな”と。(^_^;)

で、少し書いたように、先週(今回)は劉老師の代講で、主に「導引法」をお教えしたんですが、中級者以上の方が多い教室には、もっとHardな方がウケが良かったかも、という反省点があったことをお伝えしました。(^_^)

実は中国武術界界隈でも、今回の騒ぎでいろいろとイベントが延期になったりしています。(^_^;)

まあ、マスコミに騙されやすいTypeでは(二人とも)ないので、現状に対する不満や不安を共有して盛り上がることもあまりなかったのですが、、、、。(^_^;)
春節の期間中帰省されていた劉老師にとっては、(近隣に感染者がいなかったとはいえ)エポック的な出来事がいくつかあったようです。

曰く、
友人を招いて宴会をしたところ、有名店でいつも満席なのに4人だけで、貸切状態だった、とのコト。
南の方で感染者がない地域でも、そうなんだ、と。(^_^;)(危機感の無い、日本よりいいのかな?)

他にも、閑古鳥が鳴いている商店街というのは、劉老師にとっても初めてだったみたいです。(^_^;)

そう言えば、(帰国後、日本で)いくつかのスポーツクラブの教室が休講になったとのこと。
2重(感染症の心配があるとき、人が集まる機会を減らす&中国帰国者との接触に時間を置く)の意味で、安全策を取ったんだなと納得しました。

他方、私はというと、「免疫力が強いから、大丈夫」と考えて、全然平気なんですし、「騙されないゾ!」という意識の方がが強いンですけどね。(^_^;)